入試ガイダンス 2014年7月19日(土)
7月19日(土)、代官山MEDICALにて東海大学医学部の原義徳先生にお越しいただき、「医学部入試ガイダンス」を行いました。事前予約の際から多くの関心を集め、当日は本科生、現役生のみならず、保護者の方にもご参加いただきました。
■日程:2014年7月19日(土) 16時半〜
■講師:原義徳先生(東海大学伊勢原教育計画部事務室長)
■アジェンダ:
1. 東海大学の理念について
2. 現在の設備・学風について
3. 特色あるカリキュラムについて
4. 入学試験について
5. 去年の結果について
6. 合格の最低点について
7. 二次試験について
8. 神奈川県地域枠入学試験について
9. 一般編入枠試験について
10. 学費について
11. クラブ活動について
12. 臨床研修について
■ガイダンス内容(抜粋)
1. 東海大学の理念について
科学技術というのは人類を幸福にするものですが、それを扱う人間が誤った思想を持ってしまうと人類を破滅に導いてしまう可能性がある、創設者の松前重義が言った言葉です。そういった問題意識から、若者がきちんとした思想を学ぶ機会を与えることによって、教育を基盤とした平和な社会・国家を作ろうというのが東海大学の建学の思想です。私立大学には当然建学の精神という、大学を作った理念があります。その点をご理解いただいたうえで大学を選んで頂ければと思います。東海大学医学部の教育の理念は大学の建学の精神のもとで「良医の育成」です。具体的には幅広い視野、広範な知識、確かな技術、豊かな創造性をもって、社会の役割を認識し、人間にやさしい医者を育成するということです。基本的には医師免許というのは医療行為を何でもできるという、そういう特別な資格です。ですから医師免許をとった以上は、一人前の臨床の医者として、ちゃんと社会で活躍できるような臨床医になってほしいということで教育をやっています。
2. 現在の設備・学風について
神奈川県の伊勢原に医学部のキャンパスと付属病院があります。新宿から電車で1時間強です。その他に代々木と大磯と八王子に付属病院を持っています。学生数は677名在籍しています。毎年の募集人数は115名ですが、2年次への編入学もありますので、1年生は100名くらい、2年生は125名が在籍をしています。出身の地域は関東が全体の6割くらいですが、全国から学生が集まっています。また、年齢層も10代から50代までの幅広い層の学生が在籍をしています。同じ教室の中にいろいろな経歴を持つ学生たちが集まって勉強をしています。通常の高校では同い年の同級生ばかりですけど、東海大学に入ると現役高卒生が社会人経験者と一緒のクラスになって勉強するということになります。オープンキャンパスに来ていただくとわかると思いますが、いろいろな学生がいて、とても自由な面白い学風かなと思っています。
3. カリキュラムについて
少なくとも東海大学医学部に入学した学生には、医師国家試験に合格してもらうことが最低限の目標であって、そのうえで先にお話しした「良医」になってもらうことを学んでもらいます。東海大学では4年生が終わったところで共用試験を受けてもらいますし、6年生が終わったところで国家試験ありますので、各試験までに学ばなければいけないことも概ね決まってきます。これは東海大学に限ったことではなく、日本の多くの医科大学で同じような状況なのかと思っています。だからどの大学に行っても最低限学ばなければならない部分というのは共通で、しかもその量がとても多いので大学毎のカリキュラムの差というものも小さくなっているのではないでしょうか。
東海大学における科目を紹介すると、1年生は生物学とか化学とか医学の基盤となる部分をもう一度勉強しなおしてもらう期間で、その他に英語とか教養系科目を受けてもらいます。また出来るだけ1年次から臨床を意識してもらうために、医師としての役割とか態度や話し方などを学ぶことにより、医学を勉強しているんだということを実感してもらっています。「人間関係学」の授業では救命救急センターにおける当直を行うことによって、救命医療の現状を学んだり、医師はどのようにコメディカルスタッフとチームを組んでいるのかとか、救急隊や患者さんとどのように接しているのかいうことを体験してもらうということをやっています。他には航空会社のキャビンアテンダントを教育する方に来てもらって、医師として必要な接遇マナーをしっかり身につけてもらおうと思っています。もう1つは医学入門の中でBLS(Basic Life Support:1次救命措置)を勉強してもらっています。これは5年生の学生が1年生を教えるという形にしていて、5年生の振り返りでもあるんですけど、このような高学年が低学年に教えるという、そういう文化もできるだけつけたいなと思ってやっている取り組みです。
通常の授業はこういう大教室でパワーポイントを使ってやるというのが中心です。ですので、以前と比べるととても進みが早くて、膨大な量を授業の中で扱っていきます。学生にはハンドアウトと言ってパワーポイントの内容を配るようにしています。また、大教室の講義だけを受けていると、やはり受け身になってしまうので、最近はPBLチュートリアルと言って、スモールグループの授業を入れています。PBLというのはProblem Based Learningのことで、問題解決型の学習です。6人くらいの学生に1人のチューターをつけています。基本的にはこの6人で、臨床的な症例の診断・治療を話し合いながら導き出していきます。チューターは教えるという立場ではなく必要に応じてデータを示したり、助言をするという役割で基本的には学生主体で学習していくものです。東海大学では2年次の科目からこのPBLを導入しています。
5年生になると臨床実習です。5年生6年生は臨床実習が中心です。クリニカル・クラークシップと呼んでいますけれども、診療参加型の臨床実習です。学生も診療に参加してもらって、自分の患者さんを受け持ってもらって診断・治療をすることに参加します。1年生から4年生までで培った知識を実践の場でどう応用していくかというのが5年生6年生の学習です。5年生はすべての科を回っていただきます。その後、Advanced OSCEという実技試験と、総合試験を受けていただいて、5年生を終了します。6年生も臨床実習ですが、診療科や病院などを選択できるようにしています。自分のやりたい科を選んで臨床実習をすることができるという形です。地域医療に興味がある場合には近所の開業医の先生のところに臨床実習へ行き往診したり、クリニックで外来の患者さんの診察を行います。自分のやりたいことをやってもらうという形にしています。大学が用意するプログラムもたくさんありますが、自分で実習先を探してきて大学病院ではできないようなことを申請するという自己開拓科目というものもあります。
東海大学で最も特徴的なのは、臨床実習の間に海外留学のチャンスを設けています。3か月間、海外の協定大学に学生を派遣し臨床実習をしていただきます。現在は、アメリカのニューヨーク医科大学とウエィクフォレスト大学、イギリスのカーディフ大学、デンマークのコペンハーゲン大学の4大学に、3か月間、各1名ずつ派遣することができます。大学の交換留学というと語学研修がよくありますが、そうではなくて臨床実習をやってもらいます。ですから、基本的に英語ができるという条件で選抜をして、現地のチームに入っていただきます。アメリカの臨床実習だと学生は日本でいうと研修医レベルのマンパワーとしてカウントされていてすごく刺激的な体験ができるので、モチベーションが高い生徒には非常に人気のプログラムですが、全部で12名しかいけませんので、選抜された学生のみが参加できるという状況です。この留学に行くためには英語力が必須なので、東海大学のハワイの施設(ハワイ東海インターナショナルカレッジ)における英会話プログラム(2~3年生)や、医学英語ワークショップ(5年生)で英会話を学習してもらっています。5年生のプログラムではハワイ大学医学部の学生が模擬患者になってくれて、英語で問診をして鑑別診断をつけるという、アメリカ式の問診の方法を英語で学習しています。
4. 入学試験について
東海大学の入学試験は4つの入学試験があります。まず、東海大学の付属高校から入ってもらう試験です。これは特別な入学試験なので今回は説明を割愛させていただきます。一番人数が多いのが一般入学試験A方式です。もう一つが、センター試験を使う神奈川県地域枠入学試験、もう一つが、2年生に入学してもらう一般編入学試験です。全体の募集員数は115名です。付属高校から20名、一般入学試験A方式が70名、神奈川県地域枠で5名、一般編入学で20名、あわせて115名です。一般入学試験ですが、去年と大きな変更点はありません。ただ高校の指導要領が変わっておりますが、新課程と旧課程の共通部分から出題することになっています。一次試験は2月の2日と3日です。二次試験は2月の8日と11日です。一次試験の科目は英語と数学と選択科目。二次試験は小論文と面接とを実施します。一次試験の英語は70分で150点満点にしています。数学は70分で100点です。選択科目は物理・化学・生物から1科目を選択していただいています。東海大学では一科目で受験をすることが可能です。しかも、受験当日に問題を見てから選んでいただく形になっています。合計350点満点で1次判定を行いまして、1次合格されますと2次試験は30分で500字の小論文と、約10分の個人面接を行うのが2次試験です。 試験日ですが、一次試験は2月の2日と3日を用意しています。これは、私立医科大学の入試日程を見ていただきますと、1月末から2月中旬までずっと繋がってますし、いろいろな大学と重複する場合もありますので、どちらか一つを選んで受けていただけるというのが、複数日を始めた理由です。受験日自由選択制度といっています。もちろんご都合がよければ両日を受けることもできます。もし両日受けていただいた場合は、合計点が高い方で判定を行いますので、どちらか一方が悪くても、平均をとるのではなくて、合計点が高い方で判定をします。もちろん試験問題は別々の試験問題を使いますので、難易度も多少変わるため標準化採点を行いまして、どちらかを受けていただいてもが不利になることはないような、そういう配慮をした試験内容にしています。
試験会場も東京・名古屋・大阪・福岡の4つの会場を用意しています。したがって、試験日と試験会場を選んでいただけるというのも東海大学の1次試験の特徴です。2次試験も2月の8日と11日の二日間用意しています。そのどちらか一方を受験生に出願時に選んでいただいています。これも他大学との重複を避けるために選んでいただいているのですが、必ず受験生が選んでいただいた方で実施をします。これは大学が指定するのではなく、必ず受験生が選んでいただいた日程で実施をしておりますので安心して選んでいただければと思います。試験会場は神奈川県の東海大学の伊勢原キャンパスで行いたいと思っています。
5. 去年の結果について
去年は70名の募集に対して4980名の方が一次に出願をいただきました。受験者は4411名です。一次合格441名でした。二次試験受けていただいたのが355名でした。正規合格として75名を出して、手続きの結果不足した分を補欠者の中から58名繰り上げ合格といたしました。あわせて130名の方に合格を出しています。受験者に対する合格者を計算し、33.9倍という倍率で発表しております。 2日間ある一次試験日の中で、単日しか志願しなかった方が約70%で、約30%の方が両日受験をいただいています。合格者を見ると、両日試験を受けた方が50%以上ということで、両日受けていただいた方の方が去年は合格率が高かったという結果でした。理由はいろいろあるかと思いますが、昨年の結果で見る限り、両日受験いただいた方がよいのかな・・・と思っています。
6. 合格の最低点について
昨年度の繰り上げ合格の方の最低点については、配布資料の「入試情報」に記載されていますが、73%でした。これは、偏差値化する前の実際の得点率です。科目ごとで足切はありませんので、すべて合計点で判定を行います。選択科目の選択の状況ですが、化学を選択される方が圧倒的に多いという状況で、これは以前から変わっていません。判定は偏差値化した得点で行いますので、どの科目をとっても有利・不利にならないようなにしています。
7. 二次試験について
小論文は、30分で500字以内です。短い時間で長い文章を書いてもらっています。去年の1日目はスティーブジョブズ氏のスピーチから、若者にどう生きるべきだと語りかけていると思うか書いてください、という内容でした。また、2日目はこの写真を見てあなたが思うことを書いてくださいという内容ですので、特に知識が必要ということではなく、その場で感じたことを書いていただければいいと思います。面接は面接者2名に対して受験生1名の2対1の面接です。
8. 神奈川県地域枠入学試験について
一昨年前から東海大学医学部を卒業した後に神奈川県が指定する機関で一定期間、内科・外科・小児科・産婦人科・救命救急科・麻酔科の診療を希望している方を募集する試験です。この試験で合格されると神奈川県から奨学資金として年間120万円が支給されます。つまり6年間で720万円を神奈川県が援助してくれるというものです。募集人数は5名です。一次試験はセンター試験を使い、2次試験は2月8日、11日で、一般入学試験と同じ内容で二次試験を行います。一次試験の科目は、外国語では、英語をリスニングも含んで250点満点、数学は数Ⅰ・数Aと数Ⅱ・数Bの2科目で200点、理科は物理・化学・生物から2科目の選択にしています。200点です。一般入学試験では1科目ですけれど、このセンター利用では2科目を受けていただいて、合わせて650点満点で一次判定を行います。合格者の方には小論文と面接の二次試験を受けていただきます。一般入学試験とこの神奈川県地域枠は併用することが可能ですので、両方とも一次合格する方が出ます。その場合、二次試験は1回受けていただければいいということにしています。去年は5名の募集に対して200人の方が出願していただいて、正規合格を5名、補欠繰り上げを4名であわせて9名の方に合格を出しています。倍率は22.0倍です。
9. 一般編入枠試験について
これは2年生に編入学する試験で、いろいろな道に進んだ方がもう一度医学を目指したいということで受けていただく試験です。昨年は20名の募集に対して566名の出願をいただき、最終的には25名の方が合格しましたので、25.7倍ということです。出身の学部系も人文系と社会科学系が半分くらい。幅広い経験の方が入学されています。試験科目が英語と適性試験ということなので、外国の大学にいた方が入ってくることもあります。一次試験は英語100点と適性試験100点の200点満点で一次判定を行いまして、二次試験は面接を200点でやっています。あわせて400点満点で判定を行っています。
10. 学費について
3754万円というのが今の学費です。6年間でこれだけです。いろいろ噂で寄付とか学債とか言われますけども、東海大学ではこれ以外の徴収はありません。私立医大の平均が3300万ぐらいですので、もうちょっとがんばっていこうかなと思っているところですね。大学独自の奨学金もいろいろご用意しています。成績優秀な学生に対する奨学金だとか、卒業後に東海大学の付属病院で勤務していただくということを条件にした奨学金とか、学費に充当するには不足ですが少しでも経済的な負担を軽減できればと思っています。
11. クラブ活動について
医学部の勉強が大変なのはご承知だと思いますが、できるだけクラブ活動に参加してもらいたいと思っています。卒業して医師になった後で同級生っていうのは非常に頼れる仲間ではあるんですけれども、もうちょっと幅広く先輩や後輩っていう人間関係を広げるっていうのも重要だと思います。それはなかなか普通の学生生活だけでは培うことができませんので、こういうクラブ活動に参加していただいて、できるだけ人間関係を広げてもらいたいなと思っています。
東海大学っていうのは、野球とか柔道だとか駅伝とかプロみたいな人がたくさんいるみたいなイメージがあるかもしれませんけども、医学部はなかなか練習に参加することもできませんので、伊勢原校舎だけでチームを編成して、医療系の大会に参加しています。東海大学医学部はいま柔道部がとても強くて、東医体で7連覇しています。
12. 臨床研修について
病院は神奈川県西部にありますが、とても高い評価をいただいています。週刊誌ですけれども、ランキングでは全国で1位か2位です。病床数は804床ですが、1年間の平均病床稼働率が99%です。ドクターヘリは年間で300回くらい飛んでいますし、救急車も年間8000台くらいが来ています。非常に忙しい救命救急センターではありますが、救命救急センターのランキングでも全国1位をいただいていますので、内容も質も共に非常にいい救命救急医療ができています。
学生にとっても研修医にとってもたくさんの症例を学ぶことができる病院だと思います。仮に東海大学ではなく別の医大に入学されたとしても、卒後研修は東海大学病院をお勧めします。ただ、東海大学病院の臨床研修の枠というのは今45名になっています。したがって、毎年110名くらいの学生が卒業しますが、そのうち東海大学病院で研修するのが40名くらいです。それ以外の学生は臨床研修医マッチング制度によって各自の希望の病院で臨床研修をするようになります。東京都内の大学病院に行く学生もあれば、地元に戻って研修をするという学生もいます。個人的には全員が東海大学病院で研修をしてほしいと思っていますが与えられた定員で行ってという現状です。
大学や研修先を選ぶのはいろいろなお考えや基準があるかと思いますが、こちらにいらっしゃる皆さんには、ぜひ医師になるという夢をかなえていただければと思っています。そして、もしご縁があったらば、東海大学で一緒に勉強していただければなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
1クラス9名 少人数制指導
プロ講師による1日12時間学習指導
塾生一人ひとりの入試とのかかわり方を指導し、一年後見事に医学部入試を突破して、将来社会に貢献できる立派な医師に育って欲しい、そんな強い思いから構築した教育システムを採用。
1年で必ず合格へと導きます。