入試ガイダンス 2013年7月20日(土)
去る7月20日(土)、昭和大学医学部 中館教授による昭和大学医学部の入試ガイダンスを行いました。大学の先生による直接の学校説明や入試概要説明に、生徒達は熱心に耳を傾け、積極的に参加をしていました。
昭和大学の魅力的な授業カリキュラムや楽しそうな学生生活の様子に、生徒たちも医学部生活の具体的なイメージが湧いたようです。
■日程:2013年7月20日(土) 16:30~17:30
■講師:中館 俊夫先生(昭和大学医学部教授)
■アジェンダ:
1. 大学概要
2. 昭和大学医学部のカリキュラム~
3. 昭和大学の特長
4. 入学試験の概要
5. 入学試験の内容について
6. 奨学金について
7. アドミッション・ポリシーについて
8. 質疑応答
■ガイダンス内容(抜粋)
1. 昭和大学の概要
昭和大学には旗の台キャンパスという本部があるキャンパス、歯学部のある洗足キャンパス、保健医療学部がある横浜キャンパス、1年生が通う富士吉田キャンパスという4つのキャンパスがあります。医学部に入ると1年生は富士吉田キャンパス、2年生以降は旗の台キャンパスで学びます。
昭和大学では、4学部全員が全寮制で1年生を過ごします。海外のオックスフォード大学、ケンブリッジ大学など、規則社会の厳格なイギリスの伝統ある大学は、寄宿舎制で教育をしています。また、日本では大学で医学部に入学しますが、アメリカの医学部はGraduate schoolと言って、大学院に相当します。ハーバード大学にもメディカルスクールという大学院があります。そこに入学する前の、所謂Collegeのstudentは寄宿舎に入り全寮制で勉強します。寮に入ることによって、同じ世代の仲間と密な接触を通じ、貴重な体験があるでしょう。そのような考え方のもと、昭和大学も寮制度を取り入れています。将来いろいろな職種間でチーム医療を進めるにあたり、チームワークの練習にもなりますので、歯学部、薬学部、保健医療学部、または看護学科といった他の学部・学科の生徒との男女別の4人部屋になります。昼間勉強するときは学部単位になることが多いので、夜に帰ってきたときは他の学部の人たちと一緒に過ごせるようにしています。良い人格形成にもなりますし、他の職種の人たちの考え方に若いうちに一回触れておくというのはとてもいいことです。卒業生からも全寮制でよかったと評判です。寮生活というと心配かもしれませんが、スポーツ施設もありますし、富士山が世界遺産にもなり自然も豊かですし、1年生の4月から12月までですがぜひ楽しく過ごしてほしいと思います。
グループ学習はチーム医療の良い教育だと評価され、マスコミにも注目されています。読売新聞では1年生の四学部合同のグループ学習、毎日新聞では3年生でやっている四学部合同のグループ学習をとりあげられました。AERAという朝日新聞社の雑誌で昭和大学を特集してもらった時も、ユニークな教育であると評価されました。
2. 昭和大学医学部のカリキュラム
1年生では、医学部で勉強していくにあたっての基礎27科目として、「生体分子の基本構造」や「細胞と遺伝子」等を学びます。「Freshman English」等の英語、「ヒューマニズム」や「コミュニケーション」なども学びます。「チーム医療の基盤(PBLチュートリアル)」という科目は、四学部合同のグループ学習です。1年生から「医化学」、「形態学概論」、「人体骨格実習」等の専門科目や、病院や福祉施設の見学実習もあります。教養科目は38科目あるうちから8科目選択します。それに加え、希望者には夏休みを利用して海外に留学するプログラムもあります。1年生では、提携校のアメリカのオレゴン州にあるポートランド州立大学で4週間、語学と異文化体験等を目的としたプログラムが用意されています。1年生のPBLチュートリアルでは、まだ医師や保健医療の専門の立場から患者さんを評価はできませんので、一般的な健康に関して、たとえば太りたくないとか痩せているとかいうのは一体どういうことで、どういう基準でそう判断するのか、身体にいいと言われている食品は本当に身体にいいのか、では健康にいいとか美容にいいというのはどういう成分なのか、サプリメントというのは食品とどこが違うのか。そのような議題を自ら出し、よく調べ、ディスカッションをして結果・作用を導き出す学習をします。
2年生で旗の台キャンパスに移ると、解剖学や生理学など、医学の基礎、つまり私たちの身体の正常な構造や機能を学びます。その他に医学総論としていのちや倫理について、日本語の対話法とかコミュニケーションや英語も学びます。
3年生では2年生で学んだことを踏まえ、私たちの身体の異常、つまり病気の状態を学びます。病理病態総論で、感染症などの異常が起きた時にどういう変化が起きるのか、どういう異常があり得るのかを勉強します。さらにそれを踏まえて呼吸器、循環器、消化器にはどういう病気がおこるのかとその診断法や治療法など、臨床医学の演習も始まります。また、医療は社会との関係で行われていることが多いので、社会でどういうことが行われているのかも学びます。さらに、PBLチュートリアルでは実際の患者さんのデータを使って学生が診断したり、診断の為にどんな検査をすればいいのか、診断が決まったら治療のことなどを、医者・看護師・薬剤師などそれぞれの立場からディスカッションを通して解決していきます。
4年生は臨床医学の総まとめで、産婦人科、小児科、救急からリハビリまで全てを学びます。最後に共用試験として客観的臨床能力試験のOSCE(オスキー)を受けます。5年生になると、病棟に入り患者さんを相手にした臨床実習をしますので、そのために必要なスキルが身についているかの試験です。共用試験CBTはコンピュータを使ったテストで、患者さん相手の臨床実習に必要な知識が身についているかどうかの試験です。この共用試験に通らないと臨床実習に移れません。これをクリアすると5年生になり臨床実習が始まります。最初に白衣授与式があり、みなさんに患者さんの前で着るための白衣を渡します。ただ見学するのではなく、病院の医療チームの一員のStudent Doctorとして、学生に許されている範囲のことをやっていきます。主に実習するところは昭和大学病院、藤が丘病院、横浜市北部病院で、実習後、AdvancedOSCEという、臨床能力がどれくらい上がったかをはかる試験があります。
6年生の6月まで臨床実習の総まとめがあり、国内他施設や海外の大学など希望するところで受けることができます。その後国家試験を踏まえた集中講義をし、10~11月に卒業試験があります。卒業試験の1次に通らなかった人たちには強化合宿があり、1月に再評価試験を受けます。医学部をでて、医師国家試験に合格できないと本当に辛いので、国家試験に全員通ってもらうための試みです。卒業試験Ⅰ、Ⅱと国家試験は非常によく相関していて、うちの卒業試験に通れば国家試験に通るような試験です。医師国家試験の合格率は、年にもよりますが約90%です。
3. 昭和大学の特長
■8つの附属病院を完備
昭和大学には8つの付属病院があります。東京都には、昭和大学病院と東病院、豊洲病院、歯科病院、精神科専門の烏山病院の5つがあります。神奈川県には、横浜市北部病院、藤が丘病院、リハビリ病院の3つがあります。合わせて3000床を超える病床数を持っています。8つの付属病院をもっているというのは全ての国公私立大学の中で1位で、病床数も全ての国公私立大学中2位です。付属の病院で臨床実習を行うことによって多くの症例を経験でき、多大な教育効果を生み出しています。
■学費が安い
6年間で2200万円で、私立医学部29校中で3番目に安いです。また、選抜Ⅰ期の合格者上位78名に入りますと、特待生制度により1年次の授業料300万が免除されますので、6年間で1900万円になり、1番安いです。それから地域別選抜枠での入学者も300万円が免除になります。
■非常に多くの海外実習・留学のチャンスがある
1年から4年までは、海外に提携校がたくさんありますので、夏休みの1ヶ月程度を利用した短期留学・研修プログラムがあります。6年生の時は、4月~6月の3ヶ月間、選択実習で自身の好きなところで実習ができ、海外の病院を選ぶこともできます。大学側からも補助金出すなど、支援しています。これは一例ですが、1年次にはポートランド大学、2年次にはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で主に生理学研究プログラムを学ぶことができます。3、4年次にはチューレン大学、6年次はハワイ大学。このほかにも提携校はたくさんあります。6年生の選択実習を海外の大学付属病院、または大学関連施設で行う場合、3カ月のうち2カ月行うことができます。
■長い伝統
80年の歴史と伝統がありますので、日本全国各地で活躍していらっしゃる6000人近い卒業生がいらっしゃることです。大学を卒業して医師として日本各地で働く時に、どこへ行っても昭和大学の卒業生がいらっしゃいます。同窓の人がいるというのはとても良い事だと思います。仲も良くなります。
4. 入学試験の概要
■地域別選抜
募集定員12名に対して491名の出願があり、繰上合格を含めての合格者は30名、実質の倍率は16.4倍です。地域別選抜は現役生対象で、全国を北海道・東北・北関東(北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・茨城・栃木・群馬)、東京、南関東(神奈川・埼玉・千葉)、中部地域(山梨・新潟・長野・愛知・岐阜・静岡・三重)、北陸・近畿・中国地域(大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山・富山・石川・福井・鳥取・島根・岡山・広島・山口)、四国・九州・沖縄地域(徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)の6つのブロックに分けて選抜します。これは通っている高校のある場所で判断されますので、神奈川に住んでいて東京の高校に通っている人は東京の扱いです。6ブロック各2名ずつで、選抜Ⅰ・Ⅱ期との併願が可能で、さらに授業料が300万円免除になります。
地域別選抜を実施している理由は2つあり、1つは医師の地域偏在、もう1つは昭和大学入学者に現役生が少なく、出身地に偏りがあるということです。昭和大学の理念「国民の健康に孜孜として尽力する」のために、日本各地に貢献する医師を養成したい、全寮制で多様な地域文化・背景を持つ人同士で交流してもらいたいというねらいがあります。
地域別選抜の一次試験はセンター試験を利用します。2014年1月18、19日に受けて、1次の合格発表は2月5日です。二次試験として2月11日に小論文と面接があり、最終的な合格発表は2月12日です。センター試験では5教科7科目900点満点(国語200点、地歴公民から1科目選択で100点、理科から2科目選択で200点、数学200点、英語は250点を200点に換算)です。科目毎の二段階選抜はありません。また、地域ごとの一次試験の合格最低点は同一点です。ただ応募者が多い地域は合格者も多くでますが、最終的な合格者はどの地域も2名です。
■選抜Ⅰ期
選抜Ⅰ期は募集定員78名に対して3414名の出願があり、繰上合格を含めて合格者は280名ですので、実質の倍率は12.2倍でした。一次試験会場は東京(五反田TOC)・大阪・福岡の3か所あります。1次試験は1月31日(金)で、英語・数学・理科2科目です。合格発表は2月5日で、二次試験は旗の台の本学のみで2月8日(土)、9日(日)から選択できます。面接と小論文が課され、合格発表は2月10日です。
■選抜Ⅱ期
選抜Ⅱ期は募集定員20名に対して2145名の出願があり、繰上合格を含めて合格者は36名、実質の倍率は59.6倍です。会場は東京(五反田TOCを予定)のみです。一次試験は3月1日、科目は英語・数学・理科2科目です。合格発表は3月5日で、二次試験が3月8日に旗の台の本学で実施されます。科目は小論文と面接で、合格発表は3月10日です。
5. 入学試験の内容について
一次試験の合格ラインは、25年度の実績ではⅠ期が272点、約68.0%、Ⅱ期は273点、約68.3%でした。各科目平均点には差がでますが、理科選択科目による得点差調整や、各科目の二段階選抜はありません。ちなみに地域別選抜の合格ラインは900点満点で720点でした。
二次試験の面接の内容は、その時の面接官によりますが、志望動機、高校時代の課外活動など、入学願書・調査書の内容はよく問われます。小論文を面接の前に書いてもらうので、小論文の答案の記載内容も参考にして質問をします。面接は、面接官2人で1人約10分の予定です。小論文のテーマでは、昭和大学の理念に関すること、チーム医療に関することは頻出です。この他にも留学の意義や、高齢化社会や平均寿命、ノーベル生理学賞・医学賞を受賞されました山中教授の「若い間にいっぱい失敗して、挫折してください」というメッセージに関してみなさんどう考えるか、というような時事問題もよく出題されます。昭和大学の理念や特徴について理解している事ももちろん大切ですが、医療関係や社会的な問題についての理解が大切です。試験時間は1時間で、600字程度の予定です。
最終的な合格判定は、一次試験400点満点での得点を(A)とします。一次試験は(A)の点数の高い順に合格者を決めます。二次試験は小論文・面接・調査書の総合判定ですが、これを(B)とし、(A)+(B)の点数の高い順で合格判定をします。一次試験の点数は持ち点となりますが、一次試験の点数が悪くても二次試験がすごく良ければ逆転できますので、一次がギリギリだからといって悲観する事はありませんし、逆に一次が良かったからといって油断はできません。総合点のみで合格を判定していますので、年齢や性別などによる不利はありません。また、二次試験合格者に辞退がある時は、順次繰り上げ合格を出します。点数の高い人から連絡します。
6. 奨学金について
日本学生支援機構奨学金、地方自治体の奨学金、昭和大学父兄互助会奨学金、学校法人昭和大学奨学金などがありますので、何か困った時は利用してください。
7. アドミッション・ポリシーについて
・常に真心を持って人に尽くす意欲と情熱のある人。
・チーム医療を担うための協調性と柔軟性のある人。
・医療や健康に関わる科学に強い興味を持つ人。
・自ら問題を発見し解決する積極性のある人。
・医療を通じた国際社会への貢献に関心のある人。
・一年次の全寮制共同生活・学習に積極的に取り組める人。
以上のような学生にぜひ入学していただきたいと思っています。絶対に医師になりたいという意思のある人、または医者になってもいいかなと思う人は是非受験してみてください。入学して、みなさんが損したと思うことはありません。医学部はきついですが、得られるものも大きいと思います。
8. 質疑応答
Q.面接・小論文はどのようなところをみていますか?
A.面接官にもよるが、質問したことに対して答えの内容はもちろんだが、同じ答えでも、きちんと面接官を見て答えられているか、みなさんの態度・姿勢、様子も見ています。また質問に対して的確に答えられているかも重要視しています。
Q.物理選択・生物選択それぞれの選択者に対して、入学してからの対応はありますか?
A.入学の時点で理科の知識にばらつきがあるのは理解しており、対応していますので心配いりません。
Q.留学は希望したら誰でも行くことができますか?
A.留学にはいくつかのプログラムがあり、語学の学習や外国の文化を体験するというプログラムもあります。そういったものは基本的には希望すればよほど成績が悪くない限りはできます。たとえばUCLAの生理学プログラムなどはTOEFLやTOEICで一定の点数をとれた学生のみとなります。
Q.一次試験が400点満点で、二次試験はそれに対してどれくらいの点数ですか?
A.企業秘密で具体的な数字は言えません。一次はまあまあできたけれど二次が全くだめだった人を、一次はぎりぎりだったけれど二次が良くできたという人が逆転できるくらいではあるということは言えます。
Q.昭和大学で学ぶにあたって完備されている施設を教えて下さい。
A.旗の台キャンパスにはスキルスラボがあります。現在は人間の皮膚や血管と同じような感触が再現された模型が用意されていて、採血の練習などができます。また例えば蘇生法を学ぶ際、マウストゥマウスで息を吹き入れる時にきちんとできていないと空気が胃にいってしまうのですが、それが出来ていないと警告してくれる模型もあります。そこでいろいろ練習をつみ、自分でスキルを身につけることができます。
Q.二次試験で調査書を見られるとのことですが、高校時代の成績が悪いと不利ですか?
A.評定は学校間で差があるので、あまり関係ありません。学力に関しては入学試験の結果を判断材料としています。
Q.1年生の部活動は2~6年生の活動内容とは違いますか?
A.一年次は練習や大会も分かれてやることが多いです。馬術部は馬を飼育しているのが富士吉田なので、上の学年の生徒が富士吉田に集まって活動しています。普段の練習は別々でも、試合等は合同という部活もあります。部活によっては旗の台キャンパスになってから本入部、それまでは仮入部と決めているところもあります。
Q.寮の部屋割りはどうやって決めていますか?
A.四学部あるので、それぞれの学部が1人ずつ入るようにしています。1学年だいたい600人いるうちの医学部は110人なので、医学部は同じ部屋に一人です。
Q.寮生活において、起床時間・消灯時間・門限の決まりはありますか?
A.門限はあります。起床・消灯時間はそれぞれの部屋のみなさんで決めてもらいます。朝食の時間、1限の授業の始まる時間は決まっているので、何時に起きなきゃいけないというのはだいたい決まっていますが、起きられなかったからと言って罰則などはありません。
Q.部活動は何年次まで活動できますか?
A.特に決まりはありません。5年生でもやっている人ももちろんいますが、6年生はほとんどいません。卒業後に卒後臨床研修というのが必修で、自分がどこで研修するかというのを6年生の夏休みくらいの段階で決めなければいけないので忙しいようです。5年生は実習の合間に両立して頑張っている人はいます。
1クラス9名 少人数制指導
プロ講師による1日12時間学習指導
塾生一人ひとりの入試とのかかわり方を指導し、一年後見事に医学部入試を突破して、将来社会に貢献できる立派な医師に育って欲しい、そんな強い思いから構築した教育システムを採用。
1年で必ず合格へと導きます。